はじめに

話題の製品を実際に使ったらこうだった!シリーズ夏の特別編第2弾!「14製品のエレクトリックピアノを試してみた!」

神田店の裏手にあるエレクトリックピアノ専門店Wurly's(ウーリーズ)との共同企画として、ハード&ソフト問わず様々なエレクトリックピアノを徹底に視聴してみました!
Bluesらしい泥臭い音色から、ジャジーで甘〜くメロウな音色まで、幅広いジャンル&世代を超えて愛されてきたエレクトリックピアノ(以降エレピ)は、大きく分けて「Rhodes系」と「Wurlitzer系」の2つの系統に分かれる訳ですが。今回はその甘くとろけるサウンドで人気の「Rhodes系」を中心にその魅力に迫っていこうと思います。

さて、今回そんな魅惑的な世界を冒険する本企画にご協力頂いたのは、、、
清水翔太,加藤ミリヤ,JASMINE,AZU,HOMEMADE家族,久保田利伸,JUJU,MIHIRO,三浦大知,May J., Crystal Kay、、、などなど数多くのアーティストを手がけるお笑いと炭水化物をこよなく愛する音楽プロデューサー「MANABOON氏」
昨今はエロいエレピの達人「エロピニスト」としても名を馳せるMANABOON氏と一緒に甘く深いエレピの世界を堪能していきましょう!

manaboon





"MANABOON"氏の詳しいプロフィールはこちら!
http://www.tinyvoice.com/creator/manaboon/

【録音環境について】

今回試聴したのは後述の14製品!録音環境は以下の様になります。

セッティング Audio I/Fは事前に数種類のモデルを試した結果、今回のレコーディングに最も相性が良かった「Audient /ID22(以降、ID22)」をチョイスし、業界定番のProtoolsに32bit/96khzにて録音、レベルのバランスのみを整えた後に16bit/44.1khzとWEB公開用にMP3(320Kbps)に書き出しています。(神田店店頭では32bit/96khzのままでの比較試聴が可能です!)

少し脱線しますが、数倍は高価なモデル達と聴き比べてあえて選択したほど、ID22のマイクプリとDI inが素直で使いやすい音質だったこと特筆しておきます。


録音の方法としましては、DI(ID22のDI IN)とアンプにマイク(Shure SM57)を立てて収録しています。
STAGEには「Fender/Hot Rod Deviil」を使用し、SUITCASEは本体のアンプを使用しています。

・Rhodesは各モデルとも「DIのみ」「アンプのみ」「Mix」の3種類のデータをUP。
・Yamaha/CP4、Nord/Nord Electro 4D、Waldorf/Zarenbourgの3機種は、Line録音にてモノラルで収録。
・ソフトシンセに関しては、MANABOON氏が日頃から使い慣れている鍵盤に近い感触の「Yamaha/CP4」を用いて、MIDIデータを収録。ハードウェアがモノラル録音なので、公平を期すために「WAVES/S1」にてモノラルに変更しバウンスしています。

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歴史

【Rhodesの歴史と各モデルの特徴】

Rhodesは機種や製造年によって音色がだいぶ違っています。

65-71年までの「FenderRhodes(俗に言うSilvertop)」は、以後のRhodesとは全く異なるトーンバーが使用され、フェルトハンマーによって叩かれるため、倍音豊かな音色が響きます。また、シリーズでは一番小さい50Wのモノラル回路アンプで鳴る事で、オーバードライブのような歪みが乗ってきます。

69年から76年頃までの「Rhodes MKT」初期タイプは、ハンマーが四角いゴムチップへと変わり、タインに当たる断面が増えたためアタックが強く、パワーアンプにはゲルマニウムトランジスタが使用された事でより音色がファットになっています。

74年にFenderRhodes傘下から抜けた後も「Rhodes MKT」は79年まで製造されており、その後期タイプはハンマーの形状が四角いものから台形へと変化します。台形になった事でアタック音が少し落ち着き、その分鋭く当たるため、タインを叩く力は増し、音色を保ったままサスティーンが伸びるようになっていきます。一般的によく耳にするRhodesの音はこれが一番多いかもしれません。

80年に入ると「Rhodes MKU」が製造されます。MKUはMKTとは違うピックアップが使われていて、よりスッキリとしたまとまりのある音色になってきます。キーアクションも改良され、ハンマーの跳ね上がり動作が軽くなっています。

84年には「MKX」が登場。今まで木で囲われていたボディはプラスチック素材へと変わります。箱鳴りが減った分、音抜けのよいすっきりとした音色になってきます。エフェクターのノリが良いのも特徴を言えます。

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比較視聴

今回、録音試聴した機材

【ハードウェア編】

Rhodes/MK T STAGE 73 `79

Rhodes/MK T STAGE 73
  • ・DIのみ
  • ・アンプのみ
  • ・Mix

Rhodes/MK U STAGE54 `80

Rhodes/MK U STAGE54
  • ・DIのみ
  • ・アンプのみ
  • ・Mix

Rhodes/MK T SUITCASE `79

Rhodes/MK T SUITCASE
  • ・DIのみ
  • ・アンプのみ
  • ・Mix

Rhodes/MK U SUITCASE `80

Rhodes/MK U SUITCASE
  • ・DIのみ
  • ・アンプのみ
  • ・Mix

VintageVibe/Tine Piano Active 73

NORD/NORD ELECTRO 4D:プリセット EPiano 1(Without Effect)

Waldorf/Zarenbourg :プリセット BAR(Without Effect)/TINE

【ソフトウェア編】

Applied Acoustics Systems/Lounge Lizard EP-4

Modartt/Pianoteq Electric Pianos add-on

MOTU/Electric Keys

Premier Sound Factory/MK-1 Stage Premier 96k

Premier Sound Factory/SUITCASE Premier

XLN Audio/ADDICTIVE KEYS

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対談

【試聴を終えて】

宮地楽器(以降:宮):お疲れ様でした!半日近くお付き合い頂きましてありがとうございます!

MANABOON(以降:M):お疲れ様でした!

:いや〜かなり面白かったですね!いかがでしたか?やっぱりそれぞれの機種によって、感触とか違ったと思いますが率直な感想をお願いします。

M:かなり勉強になりました!やっぱりRhodesはタッチ感がモデルによってだいぶ違いましたね〜。いろいろ順番に弾いていきましたが「MK U Suitcase」になった瞬間に鍵盤のじゃじゃ馬感にやられましたね(苦笑)

:ね〜。同じフレーズなのに苦戦していましたもんね(笑)でも、そんなところがエレピの良さとも言えますよね〜。手が掛かる子ほど可愛いというか!

M:機種によってけっこう差があるから、逆にそれが表現の幅になっているって感じですよね。

:ちなみに今日試した中でどのモデルが一番好みでしたか?

M:やっぱ、「mk1 suitcase 73keys」ですね!エレピを入れる仕事の時に良く触っていることも有り、馴染みのある音とタッチだからかもしれませんけど。実際、MKTとMK Uって何がちがうんですか?

:MKTとMK Uは違うピックアップが乗っています。その結果音が若干スッキリしてる感じがします。MKXになるとさらにボディの素材がプラスチックに変わったことで、よりスッキリとしたサウンドになります。

M:なるほど〜。奥が深いですね〜。年代が経つにつれてオケの音がハデになるから、それに負けないような音作りの設計にされていったんですかね〜。

:お、流石!その答えもらっときます(笑)次に「Vintage Vibe」はいかがでした?

M:そうですね、Rhodesに近いんだけど曖昧な部分が少なく、スッキリしているタッチも現代的で弾きやすいのでMIDIキーボードに慣れている人にはいいかも。

:確かに現代的な音やタッチ感ですよね〜。正当進化というか現在のパーツで作ったRhodesって感じで、箇所に正確さを感じますよね。では、その流れで今回一緒に試した現行機種の印象を教えて下さい。

M:「Zarenbourg」は作曲をする際にRhodesやwurlitzerの音がほしい時サクッと使える感じ。鍵盤も軽くてMIDI鍵盤としても十分使えるから、メインキーボードとしても行けると思います。

:何か独特の高域の抜けが不思議な感じですよね。ソフトシンセっぽいというか、生な感じがしないけど暖かいみたいな。

M:「NORD Electro」は本当によく出来ていると思います。タッチはかなり好きだな〜。

:なんか聞き慣れた音ですよね。これも1つのエレピを代表する音といっても過言じゃないかな〜。個人的にはNORDでエレピの音にハマった世代です。(ちなみMANABOON氏と筆者は同級生です。)ちなみにご自宅ではYAMAHAのCP1でしたよね。ハードウェア音源をいっぱい持っている印象があるんですけど、どんな感じで使い分けているんですか?

M:「CP1」を使う時:綺麗にまとめたいとき、いわゆる優等生な音が欲しい時に使います。もう一つよく使う音源としてKORGの「KRONOS」があるんですけど、そっちは、積極的に音をいじって歪ませたりして、ちょっと悪く、ワイルド行きたい時に使います。

:ほ〜。参考になります!ハードウェア音源好きってところを掘り下げて見たいんですけど、ハードとソフトの一番の違いは何ですか?なんでハードウェアに拘ってるんですか?

M:一番はタッチ感!特に強く弾いた時の音は、実機しかない空気感があります。

:確かに!ソフトウェアってある一定以上、何をしてもダイナミクスが変わらない感じがしますよね〜、、見えないリミッターを感じるというか。

M:今回みたいに実際に実機をDIやマイク録りで収録した音と聴き比べると、これでもかってくらい違いが分かりましたもんね〜。DIの音とアンプの音、それぞれがまた違うので、2つをMIXする事でそれぞれの良いところが重なり合っておいしい音になるし。昔から混ぜるやり方があるのには意味があるのだな〜。

:混ぜた具合でまたいろいろな音が作れるからかなり楽しいですよね!そんな、MANABOON氏にあえてのこんな質問をしてみます。「もし現場にハードウェアが無かったら、どのソフトシンセを使いますか?」

M:今回試聴したなかでは、「Rhodes Premier」の製品が肉厚感があって、Rhodesの音をメインに使う際に向いてる気がしました。これ以外のソフトシンセが、他の音を邪魔しないように若干整理してあるような音がする中で、むき身というか、エレピをそのまま録りましたって音がしていると思います。今回の収穫だったのが「Lounge Lizard」ですね。生のエレピに一番近い感じがあるのにバランスがよく、まとまりがあるからアンサンブルに向いてる。

:今回みたいに実機を散々聞いた後に試すと普段と全然印象が違いますね!やっぱりソフトシンセは全体的に中低域がすっきりしているし、音のデコボコが大分少なく感じました。個人的にも「Rhodes Premier」が好きで使ってるんですけど、初めて試した「Lounge Lizard」が一番いい味出してるなって。よし、MANABOONさん、買っちゃいましょう!

M:出た〜(笑)

一同:(笑)

:冗談はさておき、若干真面目な質問です。Rhodesが好きになった理由はR&Bだと思うんですけど、あえて好きなエレピ弾きをあげると?

M:Rhodesのアーティストとしてもっとも影響受けたのは「Richard Tee」です!「Just the two of us」のバッキングを完璧に弾けるまでずっと練習してました(笑)
他に好きなアーティストといえば、RhodesというよりはWurlitzerの印象が強いですが「Donny Hathaway」。もう一人上げるとすると、シンプルなフレーズに色気を感じる「Brian Culbertson」ですね。この人たちは外せないです。自分がプレイするんだったら、上手に弾かれたものではなく味のあるプレイが個人的に好きです。

:家に帰ってチェックしてみます!まだまだ話は尽きないのですが、この辺で閉めさせてせて頂きます。ありがとうございました!

M:ありがとうございました!いや〜、勉強になりました。
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まとめ

いかがだったでしょうか!?
話題の製品を実際に使ったらこうだった!シリーズ夏の特別編第2弾!「14製品のエレクトリックピアノを試してみた!」
名前は知ってるけど、、、っていう各モデルの違いから始まり、実際に実機を録音する事で再発見できたハードとソフトウェアの違いなどなど、かなり勉強になった企画でした。世界中を魅了し続けるエレピのサウンドの良さが少しでもお届けできていれば幸いです!

次回は一台のエレピをいろんなメーカーのDIやマイクを比較試聴してみようかな〜、なんて考えておりますのでお楽しみに〜!

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